印刷して読まれることを意識しよう
多くの就活生はwordやpowerpointで研究概要を作成すると思います。
書くだけでなく、文章を簡単に移動させたり、操作を戻したり、画面を拡大縮小できたりととても便利ですね。また、ほとんど全ての企業では、オンラインでファイルを提出できるようにしています。
ちょっと見難いけど、拡大したら読めるし大丈夫かー
しかし忘れてはいけないのは、研究概要をファイルで提出したとしても、人事や面接官はそれを印刷して読むということです。
デジタルが便利であるが故、慣れてくると読み手のことを意識せず作成してしまいがちなので、研究概要を書く前に基本的なことを見直してみましょう。
文字は読めるサイズで書く
研究概要(と言うか、資料全般)で最も重要なのが文字のサイズです。
当たり前ですが、大きすぎる場合には見難く、情報も少なくなってしまうというデメリットがあります。
逆に、『成果が多く入りきらないため文字サイズを少し小さくする』という人がいますが、これは文字サイズが大きい方よりもたちが悪いです。最悪の資料です。
読み手は『中堅』と『部長クラス』
研究概要は中堅の人事や研究員である程度選考し、その後研究部長や人事部長など、年齢が40~50歳の人が選考することで面接に進む人を決定します。
若手であれば、多少読み難い研究概要でも選考してくれることが多いです。しかし、部長クラスの人たちにとって、小さな文字は読み難いを通り越して読むことができないのです。
では、その読めない研究概要はどうなるか……
読まれることなく、没です(;^ω^)
当たり前ですよね。
エントリーしている就活生は数多くいます。ただでさえ忙しい部長方が、読めない研究概要を頑張って読む必要はないわけです。
研究概要に用いる文字サイズ
では、研究概要の文字サイズは幾つがいいのか?という話ですが、
10.5 pt もしくは 11 pt
にしましょう。
最悪、これより大きいサイズでも問題ありませんが、これより小さいサイズにするのは絶対にやめましょう。
成果が多くて入りきらないんだけど?
成果が多くて、どう考えても10.5 ptじゃ入りきらないんだけど?
という人は、無駄な文章が多いです。
企業の方はあなたの研究分野と異なることが大半です(人事に関しては文系の人もいます)。そんな分野外の人にとって、情報量が多すぎると逆にわかり難い研究概要となってしまいます。
成果をアピールするのは良いことですが、企業は就活生に成果発表を求めていません(研究概要の構成)。情報の取捨選択を行い、簡潔で分かりやすい文章となるよう見直してみましょう。
文字のフォントを決めよう
文字のサイズに次いで、文字のフォントも読み易さに直結する要素です。
なんて、独特の研究概要を作成するのはよいですが、度を過ぎると読まれなくなることもありますので注意が必要です。
以下では基本的なフォントについて紹介します。
基本の文章
資料での基本的なフォントはMicrodoft Wordの初期設定である『游明朝 + Century』か、学会や論文で指定が多い『MS P 明朝 + Times New Roman』がおススメです。
游明朝
Century
- 文字が気持ち大きめ
- 文字間の間隔が大きい
- 若干文字が綺麗に見える
- 細い線が見にくい時がある
MS P明朝
Times New Roman
- 文字間の間隔が適度
- 文字がくっきり見えやすい
- 若干文字が汚く見える
游明朝 + Century
游明朝は等幅フォントであり、文字一つ一つが等間隔に配置されます。整いがあるように見えますが、場合によっては読み難くなる時もあります。
また、アンチエイリアスの補正があり、印刷時の文字が滑らかに見えます。半面、文字が薄くなりやすく、細い線などが見難くなりやすくなります。
游明朝が横に広がる分、英語のフォントもやや横への広がりが大きいCenturyが合います。
MS P明朝 + Times New Roman
MS P明朝は游明朝とは比較的逆の性質を持ちます。MS PのPはプロポーショナルフォント(可変幅フォント)の意味で、文字が詰めて配置されます。一見整いが無いように見えますが、手書きに近いため読み易いフォントとして普及しています。
また、アンチエイリアスの補正がほとんどなく、印刷時の文字が汚く見えやすいですが、黒色でくっきりと印刷されます。
MS P明朝が詰めて表示される分、英語のフォントも文字間の間隔が狭いTimes New Romanが合います。
どちらの書体も広く普及しており、嫌悪感を抱く人は稀です。そのため、このどちらかのセットであれば好みで選んで問題ありません(個人的にはMS P明朝 + Times New Romanが好きです)。
大事なのは読み易いことです。また、日本語フォントでアルファベットを書いてしまうととても見にくいため、日本語フォントと英語フォントを別々に設定することも重要です。
また、この組み合わせでないといけないということはないので、好みのフォントがあるならそちらを使ってもよいかと思います。しかし、読み易さや、日本語と英語の組み合わせをしっかりと考えてフォントを選ぶようにしましょう。
大事な部分は強調しよう
研究の内容がどれだけ優れていても、それを読んでもらえなければその素晴らしさを伝えることはできません。
黒色だけの文字の羅列よりも、色などを使って重要な部分が強調された文章の方が読み手の理解度も大きく上がります。つまり、パッと見て言いたいことがわかる、目を引く研究概要を作ることが、研究を理解してもらううえでとても重要になります。
文字の強調方法についてはこちらの記事で説明しています。
専門用語・略称の使用は避けよう
研究を説明するとなると、どうしても専門用語や普段使い慣れている略称を使いがちになってしまいます。
しかし、企業の人事や研究員は専門は様々であり、専門分野外ということを意識して作らなければ、全く内容の伝わらない研究概要になってしまいます。
企業の研究開発においても社内で資金を得たり、テーマを進めていくためにもにも部内や上層部に研究内容を説明する機会は多くあります。また、論文や特許と言う媒体があるように、研究とは『結果を出し、発信する』ことで初めて成果になります。
つまり、研究概要では伝える力も見られていることを忘れてはいけません。
研究概要の文章に関しては以下の記事で説明しています。
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