コロナ騒動も落ち着いてきて、徐々にオンライン面接から対面面接に戻りつつあります。
移動に身だしなみ、持ち物など、対面はオンラインと比べて何かと準備が必要です。しかし何よりも、マナーについて悩む就活生が多いと思います。
この記事では、就活生として・人事としての経験から就活でのマナーについて解説していきます。
マナーとは?
そもそもマナーとは、相手を不快にさせない気づかいであって、こうすればいいという正解があるわけでもなければ、やらなければならないというルールがあるわけでもありません。
日本と韓国で食事マナーが大きく違うように、マナーの考え方も人によって大きく異なることを理解することが何よりも大事です。
つまり、どのマナーを参考にすればいいの?
それは『こうだ!』と決めつけずに、いろいろな人の意見を聞いて(ネットや書籍でも十分です)、その中で一番自分の腑に落ちたものを実施するということが一番良いでしょう(この考え方は研究・開発でもとても大事です)。
こんなマナー意味なくね?
時にはこう思うことがあるかもしれません。
そんな時は、思い切ってそのマナーは無視しましょう。マナーというのはあくまで気遣い・相手への思いやりであって、無理に行うものではありません。
就活生とマナーの関係
でも、やっぱりマナーは気になるなぁ……
と不安になる学生は多いと思います。
実際、『就活 マナー』で検索してみるとマナー講師なる人たちが書いた記事が多数出てきます。
よく見かける就活マナー
- ノックの回数
- 上着をいつ脱ぐか
- 座り方
- あいさつ
では、就活にマナーはどこまで必要なのでしょうか?
人事目線で結論を言うと、研究開発職でマナーを見ている割合は2%程度です。
え、たったそれだけ!?
さらに言うと、この2%というのは、言葉遣いや服装に問題ないかを見ています。具体的には、会話するのに問題ない程度の敬語(です・ます調)が使えているか、シャツが飛び出していないか、などです。
勿論、会社や人によって多少の差はあると思いますが、研究開発職でマナーを重要視している会社はほとんど聞いたことがありません。よっぽどの悪態がない限り、マナーによって加点することもなければ減点することもないため、やはり研究開発職志望の学生は面接のためにわざわざマナーを覚える必要はないでしょう。
いくつかのマナーについては以下の記事で説明しています。
研究開発職でマナーが重要視されない理由
ほんとにマナーって重要じゃないの……?
とは言え、就活生からするとまだ不安があると思います。
ではなぜ、研究開発職ではそこまでマナーを重要視していないのか、企業視点で説明していきます。
欲しいのは研究力の高い人材だから
まず何よりも、研究開発職で求めているのは研究力です。
マナーを見たところで、就活生の研究力は一切知ることができません。むしろ、マナーができていないからと言って研究力の高い学生を不採用にしてしまう方が企業にとっては損失になります。そのため、多くの企業では研究開発職においては研究力を重要視しています。
とは言いつつも、企業研究はグループで行うことが基本です。言葉遣い(目上の人にタメ口)なんかは相手を不快にさせるのが容易に想像がつくため、入社後に問題になるであろう最低限のマナーができていない人についてはマイナスの評価をつけることがあります。
マナーは入社後に学ぶものだから
学生でマナーを学ぶ機会というのはあまりないと思います。
そのため、多くの企業では入社後にマナー研修があります。また、業務(出張や重役とのやり取り)の中で上司や先輩に教えてもらったりして少しずつマナーを覚えていくものです。
つまり、制度や人に優れた企業というのは『マナー=会社が教える』と考えています。そのため、多くの企業では就活生に対してそこまでのマナーを求めていないのです。
逆に言えば、『マナー=自分で学ぶ』と考えてる企業もあるってことだよね?
勿論、その通りです。
が、そこは企業選びで注意しなければならない点でもあります。
マナーを重要視することも企業としては確かに立派なことです。
しかし、『マナー=自分で学ぶ』という考えの企業では、上司や先輩が教えるという風潮もあまり根付いていないでしょう。そうなると、研究開発をするために会社に来ているのに、いつの間にかマナー勉強などの雑務に追われてしまうという本末転倒な社会人生活になってしまいます。
マナーなんて調べれば自分で学ぶのも簡単でしょ!
と思うかもしれませんが、研究開発だと資料作りがよく話題に上がります。
細かな専門用語や記号・単位の書き方など、上司がチェックして教えてくれれば短時間かつ効率的に学べるはずが、自分で全て調べるとなると膨大な時間になってしまいます(特に新しいテーマを始めたときは顕著)。
研究室では先輩が教えてくれていたことが、企業に入ると誰も教えてくれなくなった……。という話はよく耳にしますし、研究開発の離職でも比較的多い理由の一つです。
そのため、研究開発をやりたいという人であれば、マナーで落とされる企業にはいかないで正解と思うことも大事かもしれません。
そもそも気にしていない
えっ!?気にしてないの?
と驚く学生もいるかもしれませんが、面接する側からすると、マナーは気にしていません。
他人と会う時に、いちいちノックの回数を数えますか?
椅子に腰かける位置を見ていますか?
就活生からすると、大事な面接であることは面接官たちも理解しています。
しかし実際のところ、人事からすると何百回もやる面接の内の1回です。特に、技術的な質問をする面接官(だいたいは現研究職)で言えばただのお手伝いさんです。
そのため、わざわざ就活生一人一人のマナーにまで気をかけていません。
実際、部屋に入って来てすぐに席に座る就活生もいましたが(大体はお掛けくださいと言われてから座る)、緊張などでそうしてしまう就活生はある程度いるので、面接官側は特に何も思いません。
特に変なことでもしない限り、面接が終わるころには覚えてすらいない状態です。
そのため、多少の粗相をしても気にしない(気づかない)か、緊張しているのかなくらいにしか思わないため、やはりそこまでマナーは気にしなくてよいでしょう。
粗相をしてしまったときの魔法の言葉
面接で何かやらかしてしまってもだいたいのことは流されますが、緊張などで結構大きめの粗相をしてしまうことだってあります。
そんなときは
「すいません、緊張していて……」
と言いましょう。この一言で、9割のことは水に流すことができます。
この言葉のすごいところは、ただ水に流すだけでなく、やらかしたことが大きいほど笑いに返ることができるのです。その笑いがアイスブレイクにもなるため、面接官側からしてもやりやすい雰囲気を作ることができます。
マナーと準備不足は違う
ここまで、面接でマナーは重要視されないと言いましたが、準備不足に関しては別です。
面接時間に遅れることや提出物を忘れる、面接に適当な服装ではないなどはマナーではなく、指示されたことができていないということです。研究において指示されたことができないというのは致命的な欠点ですので、準備不足は大きな減点になると覚えておいてください。
また、当たり前ですが上に書いた『緊張していて……』というのも、準備不足などのミスにはつかえないので十分周囲しましょう。
マナーはいいとしても、準備はしっかりとやることが大事だね
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