目的とは
目的:成し遂げようと目指す事柄(広辞苑)
「研究」の目的を聞かれた場合は、研究テーマそのものが目指すゴールをさします。つまり、そのテーマを達成することで、社会にどのように貢献できるのかを抽象的に挙げるようにしましょう。
多くの場合、社会や環境と言った広い範囲に影響を与える事柄について書かれます。
目標とは
目標:目的を達成するために設けた、めあて(広辞苑)
「研究」の目標を聞かれた場合には、目的を達成するために個人が達成すべき事柄をさします。何を、どれくらい達成したいかなど、具体的な数値とともに挙げるようにしましょう。
自身の研究テーマであったり、個人が目指す成果について書かれることが多いです。また、一つのゴールに対し、人によって手段が異なることが一般的です(この点については下で解説)。
目的を達成するために目標を定めるんだね
どこでもドアを例に
物理学を専門とする学生に、研究の目的を聞いたところ、以下のように回答されました。
研究の目的はどこでもドアを作ることです!
さて、『どこでもドアを作ること』は目的として正しいでしょうか?
確かに、この学生にとってのゴールは『どこでもドアを作ること』であり、それ自体がとてつもなく壮大であることから、文章的な違和感はそれほどありません。
ですが、『どこでもドアを作ること』は一人の研究者にとってのゴールに過ぎず、社会という集団にまで考えを膨らませる必要があります。そのためには、なぜどこでもドアを作るのか?、どこでもドア作ることでどのような変化が起こるのか?という問いを投げかけてみましょう。
- 乗り物による移動を減らし、環境保全に貢献する
- 移動による時間を短縮することで、生活の質を飛躍的に向上させる
- 惑星間の移動を可能にし、新たな土地の開拓に貢献する
つまり、『どこでもドアを作ること』によって達成できる社会の在り方が、研究の目的となります。同時に、『どこでもドアを作ること』は目的を達成するための手段であり、研究の個人的な目標ととらえることができます。
例えば、『惑星間の移動を可能にする』という目標に対して様々な手段があり、その一つが『どこでもドアを作ること』にあたります。
このように、一つのゴールに対し、人によって手段が異なることも目標の特徴です。
手段は目的じゃなくて目標になるんだね
これだけは押さえておこう
つまり、目的と目標を纏めると、以下のようにあらわせます。
目的:何のために研究しているのか
目標:目指すべき成果は何か
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